C1400L活用術
「一般撮影時での絞りの関係」
(意図的に絞りを変える)


前回「RAYNOXマクロコンバータ」を使った時の絞りの関係を書きました。

この章では、
一般撮影時に絞りがどの様に画像(写真)に変化を与えるか見ていきます。

C1400Lでの絞りの関係
C1400Lには2段階の絞りが装備されています
ズームレンズの採用により、
ワイド端(35mm)とテレ端(110mm)で
絞りの値が違います。

注:機械的な絞りはWIDE端時と同じである
WIDE端 F2.8 F5.6
TELE端 F3.9 F7.8


上の絞りの関係はC1400Lを利用する上で重要ですので、
頭の中に暗記するつもりで覚えておいた方が良いです。

注:以下すべての画像はC1400Lで撮りました


今回もND(減光)フィルターを利用した活用術です
それでは最初にNDフィルターの光学的な効果について述べて行きます

通常の撮影画像

NDフィルター(4x)での減光

EV値が2段減る

上の比較画像の説明です。
これは、最初に被写体に向けて測光し撮影した物と、
同じく測光まで行った後
カメラのレンズ前にNDフィルター(4x)をかざして撮影した物の比較です。
NDフィルターの効果で暗くなっており
光学的にEV値が2段下がった事になります。

この「EV値−2」が、C1400Lの絞りを変化させるに必要な光の要素になるのです。
つまり、太陽光を一杯浴びた明るい撮影環境下においては
この画像に示す明るさまで光の量を下げてやらねば
フルオートの絞りのメカニズムをを意図的に変化する事が出来ないと言う事です。

実際の撮影では、測光時からNDフィルターをレンズ前に取り付けてますので、
C1400L内部の露出アルゴリズムにより、
「明るさが2段減ったのでシャッタースピードを2段上げる」
と言う動作を自動的に行い、NDフィルターを取り付けているにもかかわらず
フィルター無しの撮影時と全く同じ明るさの画像を撮影出来ると言う訳です。

それでは、絞りの変化に見る画像の違いを見ていきましょう。

画像をクリックすると、解像度VGAの大きな物になります(約50kByte)

F7.8 F3.9
NDフィルター使用

上の2つの写真は絞りの変化による違いをあらわしたものです。
3倍ズーム(110mm)でピントを缶に合わせてます。
後ろのオートバイのボケ具合に注目してください。

次に、4つの絞り値での違いについて

通常の撮影 NDフィルター使用

F7.8
110mmテレ端

F3.9
110mmテレ端

F5.6
35mmワイド端

F2.8
35mmワイド端

上の4つの写真は、広角のワイド端(35mm)とズームのテレ端(110mm)で
NDフィルターを使った時と使わない時における絞りの関係です。
テレ端での写真では背景のオートバイも引き寄せられてます。
ワイド端での写真では、オートバイは遠くの方に写ります。
この現象は望遠効果なので、面白いですね。
いずれにせよ、どちらもF値が小さい方がボケが現れている事がお分かり頂けたでしょう。

つまり、人物を撮影するにせよ、NDフィルターをかました方が
背景のボケが発生し
被写体が引き立ち、浮き上がっている様な効果を発揮出来ます。

次に、距離とボケとの関係です

F7.8 F3.9
NDフィルター使用

この2つの写真は3つの同じ距離だけ離した缶に注目してください。
フォーカスは「トマトジュース」に合っています。
カメラをテレ端(110mm)にして撮影
後ろの缶に行くにしたがって、ボケの具合が大きくなる事が分かります。
特に開放(F3.9)でのボケ具合は大きいですね。

以上の事から分かる通り、
絞りを変える事で出来上がる雰囲気は全然違ってきます。
フルオートのカメラだからと言っても、
マニュアル的に絞りを変化させる事は可能です。

ちなみに、カメラが絞りをどの値にしたのかを知る手段は
シャッターを押した時に
「カチカチ」
と2度音がすると絞りを絞った事になります。

耳を澄ませて聞いて見てください


98/05/04