デジタルカメラ豆知識


「画素数とピクセルの関係」


これから書くことはデジタルカメラをすでに使い込んでいるユーザーや、画像の知識のある人には基本的過ぎると思われるでしょう。しかしながらこの基本がデジタルカメラや画像をこれから扱ってみようとする人にとっては最も知りたいところで、これまでに私のほうへ寄せられた質問の中で最も多かった物です。


その質問とは、

・ホームページ用に使いたい(ホームページに張りつけたい)のですが、どのデジタルカメラが最も奇麗な画像なんですか?100万画素の方が35万画素よりもホームページで奇麗な画像を使えると言うことなんですか?

・100万画素は奇麗と言いますが、パソコンのモニターで見ていると35万画素でも奇麗に見えますけれども?

どちらの質問にも共通することは
「パソコンの画面で見ている、もしくはパソコンの画面上で使用する画像」
と言うことです。
ホームページで使うと言うのは小さくした画像のことで、この質問の主旨は小さくした画像でも100万画素のデジタルカメラで撮った物の方が35万画素より奇麗になるのかと言うことです。
これには解像度を知ることによって正しい解答が理解出来ると思います。


35万画素のデジタルカメラの場合、正確には640x480=307200画素であって、307200個の受光素子の集合体となります。
1画素はパソコンで言う「1ピクセル」と同義語で同じ物です。
つまり、パソコンのモニターの1つの点(1ピクセル)にはデジタルカメラの1画素分しか表示されません。なので35万画素(307200画素)のデジタルカメラで撮った画像はパソコンのモニターでは640x480ピクセルのサイズになります。

これは130万画素のデジタルカメラも同様で1280x1024=1310720画素と画素数は増えていてもパソコンのモニターに表示されるのは1ピクセルに対して1画素です。1ピクセルの中に画素数が増えて表示されるわけではありません。


この2つの違った画素数のデジタルカメラの画像をパソコンでそのまま表示させると、オリジナル画像は35万画素の物は640x480ピクセル、130万画素の物は1280x1024ピクセルの大きさで表示されると言うこと。

つまり、いくらデジタルカメラの画素数が増えたとしてもホームページで使われる例えば320x240サイズに画像を縮小(フォトレタッチソフトでリサイズまたはリサンプルする)して使用するのであれば130万画素の内の320x240=76800画素分しかパソコンの画面には表示されません。
640x480の解像度の画像の場合は1/4に縮小して320x240の大きさにします。130万画素のデジカメの画像も同様に縮小しますが、縮小された画像は当然解像度がオリジナル画像よりもそれだけ劣化してしまったことになります。

つまり、35万画素でも130万画素でもホームページ用に張りつけて使うものならどちらの画素のカメラでも最終的に縮小するのであれば画素数(ピクセル数)は同じ物になります。

では130万画素のクオリティーを保ちたいのでそのままホームページに張りつけたらいいのでは?
と考える人もいるかと思いますが、先にも述べました通り、130万画素を表示させるには130万ピクセル必要であって、実際ホームページに張りつけますと巨大な画像で画面が埋め尽くされる形になってしまいます。


では完全に35万画素も100万画素を超える画像も縮小すると同じ物なのかと言うと、本当はこれがまた違ってきます。
実際これまでの技術的な進歩と画素数の多さによるメリットを加味するとやはり100万画素を超えるカメラで撮った方が縮小しても奇麗な画像になるのは事実です。

例えば画素数の少ない旧型のデジタルカメラのCCD(受光素子)よりも最新のデジタルカメラのCCDの方が性能が向上しており、1つ1つの画素が捕らえる色の階調表現がよりリアルになっており、またA/Dコンバーターによるデジタル化の際に補完するソフトの向上で擬色の発生を抑える効果が性能的にアップしています。
オリジナル画像に擬色や色の再現性の悪化が最初から入っているとホームページで使う為に縮小した画像にもそのまま現れてきてしまいます。
個人的にホームページの画像もとにかく少しでも奇麗にしたいと言う人はやはり画素数の多い最新のデジタルカメラを選んだ方が良いことになります。

注意して欲しいのはこれはあくまでホームページに利用するためにフォトレタッチソフトで画像を縮小して同じピクセル数の画像をパソコンのモニターに表示した時の事であって、オリジナル画像をプリンターに出力したり、パソコンの画面以外で利用するのであれば画素数は無限に多い方がそれだけ繊細かつ奇麗な画像になって行きます。



99/03/31
デジタルカメラ大実験へ