電池に関する質問も多くもらっています。
【質問】……………………………………………………
「デジカメのカタログにある単三型電池って何ですか?」
【回答】……………………………………………………
電池の「形」の種類です。
一般的にもっとも大きいのが「単一型電池」で、懐中電灯などの大容量を持続的
に必要な機器に使われます。但し、サイズが大きいので電子機器には用いません。
それより一回り小さいのが「単二型電池」です。ラジコンのオモチャとか大型の
時計に利用されています。これもサイズ的に大きいので電子グッズには使われて
いません。
最もお馴染みなのが「単三型電池」です。大きさと電池容量のバランスが良いこ
とから電子グッズには多用されます。私がこの原稿を書いているモバイルギアも
単三電池で動作しますし、本題のデジタルカメラにも最も一般的に使われていま
す。大きさは女性の人差し指程度です。
更に小さくなって「単四型電池」。私の苦い思い出としては小学生時代、理科の
授業の際に「単四なんてあるわけないじゃ〜ん」と私が友人をなじっていると、
先生がやって来て怒られた経験が有ります。当時「単五」の存在は知っていた私
は、「4」は縁起が悪いので欠番なのだと勝手に思ってたんです(笑)。
その頃「単四型」なんてほんとに使われる機会が少なくって電気好きな私でさえ
見たこともなかったくらいでした。今ではウォークマンや電子手帳類に多く登場
しています。デジカメでは使っている機種は聞いたことが無いなぁ。
最後に「単五型電池」。これは今となっては滅多に見かけません。小学生時代に
はよく登場し、「初歩のラジオ」「ラジオの製作」なんて言う雑誌には「小型〜
〜〜の製作」記事が一杯有って、そこに単五を使いました。初ラのピカッチ製作
なんて覚えている人いるかな?小さな電池です。
番外としては「ボタン電池」なんてのもあります。携帯端末のバックアップ用や
「たまごっち」などのゲーム用の電池に使われています。これらはいずれも微弱
な電流用なので、デジタルカメラにはメモリーのバックアップ用に組み込まれて
いる機種もあります。
右から単一乾電池、単二乾電池、単三乾電池(2本)
左の単三乾電池はそれぞれアルカリとマンガン。形は同じだがデジタルカメラにはマンガンタイプは使えない。
|
【質問】……………………………………………………
どの種類の電池を使えば良いのですか?
【回答】……………………………………………………
デジタルカメラの場合、専用形状の場合を除けば、基本的に単三型アルカリ乾電
池を使う様に出来ています。コンビにでも売られているごく一般的な乾電池です。
これと似た物に「マンガン乾電池」が有りますが、こちらはデジタルカメラに使
えません。マンガン乾電池はアルカリ乾電池に比べて値段も安く、形状もまった
く同じで使えそうな感じなのですが、電気的特性が違うためデジタルカメラに入
れても正常に動作してくれません。カメラが壊れることは無いですが、不安定な
電圧の為に画像メモリーの中身が飛ぶかも知れませんので、つかわないでくださ
い。
アルカリ乾電池は1回使いきりタイプの電池です。私が愛用する携帯端末のモバ
イルギアでは2本の電池で1週間位は頑張ってくれますが、デジタルカメラの場
合ではそうは行きません。電源を入れっぱなしで使うと1時間ちょっとしか動作
しません。
但し、デジタルカメラはビデオカメラとは違い常に電源を入れる必要が無く、撮
影したい時にだけスイッチを入れる活用形態の為か、新品電池でだいたい1日持
ってくれる場合も有ります。そうは言っても長い目で見れば結構な消費量で、
1回200円の電池料金ならば100回で2万円!
そこでデジタルカメラは充電型電池にほとんどの機種が対応しています。特に最
近発売されている機種ならば問題は有りません。昔の機種、特に中古で買った様
なデジカメの場合は充電型電池には対応していない物があります。
これはアルカリ乾電池が電圧1.5Vなのに充電式の電池が1.2Vしかないた
め、電圧不足と勘違いしてカメラが動作してくれない為です。
充電型電池にも数種類有ります。
最も古くから有って誰でも1度はその名前を聞いたことがあるのが「ニッカド電
池」です。値段も最も安く充電器とセットで手頃な価格で売られていますが、デ
ジタルカメラには余り向いていません。それは電池容量が少ないこととメモリー
効果が激しい為です。
電池容量とはバケツで言えばどれだけ水を貯えられるかです。電池には900m
Ah(ミリアンペアアワー)とか1500mAhとか必ず書かれており、この数
値が大きいほど容量も大きい事になります。
1アンペアは1000ミリアンペアです。その後の「h」はアワー、つまり時間。
例えば「1000mAh」のデータの読み方は1000mAの電流を1時間持続
して供給出来ますの意味になります。なのでもし機器が500mAの電流を必要
としているのなら2時間動かすことが出来ます。電池容量が1500mAの電池
を使えば3時間まで動かせられる事になります。
(但し、いずれも理論値。実際は電圧効果も伴うのでそこまで使いきれない。電
圧も絡んできますので消費電力(W)で見るのが正解。P=E・Iの式を覚えて
るかな?)
単三型のニッケル水素電池
同じニッケル水素電池にも容量の違いによって数種類有る。電池には必ず容量(mAh)が記載されているので、予算の都合にもよるがなるべく大容量の方を選ぶべし!上の写真の電池も見比べてみると違いが分かります。
|
それより何より問題なのが「メモリー効果」。
これはニッカド電池の場合どうしようも有りません。
メモリー効果とは、充電池を使いきらない前に再充電すると、電池の寿命が極端
に悪くなる現象です。その為、ニッカド電池の取り扱い説明所には完全に使いき
ってから充電してくださいと親切に書かれているものの、実際そんな面倒な事を
せず、ちょっとでも使った充電池は家に返って即再充電するのが人の道!?
私みたいなせっかちな人間はすぐニッカド電池をダメにするタイプでして、5〜
6回使っていたら使用出来る時間がなんだか短くなったと感じてしまいます。
親切な充電器だと、メモリー効果を防ぐ為に放電機能が付いているのも有りまし
て、これはニッカド電池を充電器にセットすると、いったん抵抗器が動作し充電
池を放電させ、放電が完了、すなわち電池使いきり状態にしてから再充電がスタ
ートすると言う仕組み。これでメモリー効果もなく長期に渡って安定した電池容
量で使うことが出来ます。
せっかち人間には放電する時間が余分にかかり、だいたい倍近い充電時間になっ
てしまうのが待ちきれない。うーん、どうしたものか、、、。
ニッケル水素用充電器
充電器は畜電池の種類によって数種類有る。主にニッカド用とニッケル水素用、そして両者兼用の物。利用する畜電池に合ったタイプを必ず選ぶべし!違ったタイプを間違って充電すると加熱や液漏れ、爆発といった事も起こりかねない。電気は恐いのです。
|
という諸々の事情によって電池容量は大きいに越したことはなし!メモリー効果
も少ない方が良い!って結論から、デジタルカメラに最も適した電池は現在「ニ
ッケル水素充電池」となります。
ニッケル水素充電池はニッカドに比べるとちょっと値段が高い。スペアの電池に
充電器セットに、、と一通りそろえると1万円に達してしまいます。しかーし、
高いのはダテに高くしてるわけじゃなくって、性能が良いからですよ。
メモリー効果も無い訳ではなく、やはり使いきってから充電するのが理想ですが、
ニッカドほど神経質になる必要は有りません。
そして電池容量が1400mAh程度あり、電池食いのデジタルカメラでも結構
長いこと使っても平気で、私の場合充電池3セットを持ち歩いてますが、2時間
くらい集中して花や昆虫のマクロ撮影を行って予備の電池とチェンジするぐらい
かな。3セット使いきった事は無いです。そんなに使ってたら人間の方が電池切
れになっちゃいますね。
この他にデジタルカメラに使われているのには「リチウムイオン充電池(インフ
ォリチウム)」があります。どれも専用形状ですからコンビニで、、とは行きま
せんが、性能はこれまで話したなかではトップクラスで、小型化にも貢献してい
ます。ノートパソコンの多くに使われています。
リチウムイオン充電池の特色は継ぎ足し充電が可能で、残量が分かる事。後何分
使えますと言った情報が取り出せます。
利用者にはとっても良い事ずくめですが、機器としては非常に管理がシビアな物
です。電池はセルと呼ばれる槽に分かれており、このセル1つ1つを管理してや
らないと爆発の危険があるようです。なので、均等充電する他の充電池とは違い、
充電器側や電池内部に電子回路が組み込まれています。と言っても利用者はまっ
たくそんな事は気にせず使ってかまいませんからご安心を。たいへん良い電池で
す。
ちなみに似たような名称でリチウム電池が有りますが、こちらはリチウムイオン
とは違って充電できない使いきりタイプです。
デジタルカメラに関する質問は、
http://digicame.com/
で随時募集しています。
|