C2000ZOOM 活用術

マクロモードのヒント
(口腔内写真への応用)



デジタルカメラ研究マガジンへは歯科関連の方が多く訪ねて来られます。
サブタイトルで「口腔内写真への応用」と書きましたが、
通常のマクロモード撮影でのヒントですから
皆さんもご覧になってください。


口腔内写真を撮りたいのですが
の質問へはこれまでオリンパスのデジタルカメラC1400L(XL)を使い、
更にDigiSlaveのリングフラッシュの併用をお勧めしています。

が、
今度発売されたオリンパスのC2000ZOOMもかなり使えるカメラですので
こちらを使ってみた際のヒントを書いておきます。

後ほど実験画像を載せてますが、まずこのカメラのマクロモードでの特徴を書くと、
C1400L(XL)と比べた際の違い(メリット)は

・マクロモードが80センチから
・絞り優先AEが可能

であり、これまでのC1400L(XL)では60センチからだった分、
C2000ZOOMならばマクロモードのみで患者さんの上半身、顔、口腔内まで
そのまま撮影が可能になると思います。

次に絞り優先AEについてはフラッシュの光量調整、
輪郭強調(立体物への被写界深度の関係)から
F11まで絞れる事は大きなメリットです。


では実際に撮影する場合についてですが、
C2000ZOOMのマクロモードでの特徴として、
プログラムAEモード」に設定した際、
フォーカス領域をマクロモード
フラッシュを強制発光にする事によって絞りがF11に固定され、
シャッタースピードも被写体までの距離やズーム倍率と明るさによって
自動的に適正値にその都度設定されます。

これで問題無く被写体の撮影は可能です。

そこで注意点はフラッシュを強制発光にする事。
フラッシュをオートに設定した場合、発光しない場合がある事に加え、
カメラが絞りを開放値優先でセットしようとするので
ボケた写真になってしまいます。
(これは室内での撮影についてでの事です)
試しにフラッシュオートではレリーズボタンを半押しした際、
モニター画面の上部に現れる数値がF11ならフラッシュが光り
それ以外のF2.0等ならフラッシュは光りません。

また、強制発光にするとF11に固定された分シャッタースピードが変化して対応しますが、
レリーズボタン半押しでは被写体が違っても1/30sになっている場合が良くあります。
但し、これは基本値の様で実際撮影するとフラッシュの光量とのバランスで
自動的に違ったシャッタースピードに変化してくれます。

以下、カメラのセット方法です

まずカメラの露出設定を
「プログラムAE」
にする



フラッシュを強制発光
フォーカスをマクロモードに設定



これによって
絞り値はF11
に固定される


シャッタースピードは最も遅くて1/30sから
早いときで1/200程度までカメラが自動で追従する。
但し余り正確にAEされる訳ではない。



では実際に撮影した際の違いについてみてみます。

撮影サンプル

いずれも「マクロモード」で撮影しています
ウサちゃんですみません(笑)

プログラムAE
フラッシュ無し

F2.0
1/40s

何も考えないでカメラをフルオートにして撮影
フラッシュは光らず、絞りは開放値になった。特に被写体のバックが白に近いとフラッシュは光りません。
中心の「白いクチの部分」に露出が合わさったため、ウサギの輪郭は白飛びでボケボケになってしまっている。実画像は余り良い物とは言えない。いわゆる失敗写真になってしまった。

プログラムAE
フラッシュ無し
スポット測光


F2.0
1/80s

これもフルオートだが、測光モードをスポット測光に切り替えてみた。
露出は合って来たがやはり絞り開放で輪郭部分はボケた感じになってしまっている。マクロモードの場合、通常よりも被写界深度が浅くなるため絞りは開放値にするとボケが大きくなってしまう。

プログラムAE
フラッシュ強制発光


F11
1/30s

フラッシュをマクロモードで強制発光させると、プログラムモードではF11まで絞り込まれ固定される。これによって輪郭部分もハッキリする。左のサンプル画像では比較しずらいかも知れないが、実画像ではかなりしっかりでている。
この撮影方法がお勧めです。

絞り優先AE
フラッシュ強制発光


F8.0
1/30s

絞り優先でF8.0にして撮影。このカメラの場合、内蔵フラッシュは被写体に1回フラッシュを試し打ちし、続いて本番撮影をする仕組みなので、試し打ちの際に適正露出値に本来決定されるのだが、実際撮影しているとそうでもないようだ。またズームの倍率によって1/10秒ステップでシャッタースピードも変化するのである。例えば最広角が1/30なら最望遠は1/100になり、その間のシャッタースピードが1/40、1/50と変化していく仕組み。
絞り優先AEでも撮影出来るが、素直にプログラムAEにして撮影すれば良いでしょう。



99/05/20
デジタルカメラ大実験へ