デジタルカメラでフィルターを活用する方法


C1400シリーズでフィルターを使ったレポートを望む読者の声は多いですね
そこでステップアップリングについて再編集してみました

一眼レフ型デジタルカメラの登場によって、これまで簡単には装着できなかった銀塩カメラで使われる光学フィルター及びコンバージョンレンズ類を使った応用撮影が可能になりました。

これまでデジタルカメラにフィルターを取り付けて撮影しようとする場合、フィルターを手で持ってデジタルカメラのレンズ部に密着させるとか(右写真)、いくつかのデジタルカメラ専用に出ていたアタッチメントを使ってフィルター装着を図るといった涙ぐましい努力を強いられたのです。

一眼レフタイプのデジタルカメラでは、レンズ前に銀塩カメラ同様ネジ込んで使う事が可能になってます。

DC−2に減光フィルターを取り付け
スローシャッターにしながらの撮影

銀塩35mmカメラで用いられるフィルター径は規格がほぼ決まっており、通常カメラ屋さんで簡単に手に入る汎用の物は49mm径から始まって、52mm、55mmと径が大きくなっていきます。
と言う事は最低でも49mm径のネジ込み溝がデジタルカメラに存在しないとそのまま装着は出来ない事になります。
ところが私が使っているオリンパスのC1400Lもそうですが、レンズ径はそれよりも小さく、C1400Lの場合43mm径になってます。
と言う事は何らかの対処をしなければなりません。

そこで登場するのが「ステップアップリング」と呼ばれる物です。

オリンパスC1400シリーズ用
純正ステップアップリング

ステップアップリングとは、例えば49mm径のカメラのレンズに52mmのフィルターを装着可能にするような事が出来る小物パーツで、銀塩カメラではごく普通に使われているカメラ用品です。
値段も1000円程度と手頃な価格で、これを何種類か利用すれば手持ちのカメラにあらゆる径のフィルター、レンズ類を装着可能になります。
これ程便利な物ですので、一眼レフ型デジタルカメラ(今回は特にオリンパスC1400シリーズについて述べてます)ユーザーは手元に1つ持っておきたい物です。
ところが、C1400シリーズのレンズ系は43mm。43mmからのステップアップリングと言うのは少々特殊な部類に入るため、カメラ屋に置いていない場合が多いです。
なので、オリンパスからは純正品としてC1400シリーズ用に43mmから55mmに変換するステップアップリングが定価1500円で販売られています。

オリンパス製ステップアップリング
(C1400シリーズ用)

型番 SUR4355

カメラ屋で注文すると3日以内には取り寄せてくれるでしょう。

C1400Lのレンズ先端に取り付けたところ

この純正ステップアップリングを取り付けると分かるのですが、55mmと言う径はかなり大きいです。実際使用するとまるでC1400Lの先っぽにキノコが生えた様な形になります。
また、フィルター類は径が大きくなればなるほど値段も高くなり、だいたい49mm径に比べても1.5倍程度価格が上がります。
なんとかしたいもんですが、どうしてこんなに大きな径にまでステップアップさせたかというのにも理由が有りまして、例えば49mmにステップアップさせた場合、撮影した画像の四隅にケラレと呼ばれる「影」が発生してしまいます。
この影の原因はカメラのレンズ前に取り付けたフィルター類のフチが入ってしまったためで、特に「広角寄り」にズームがなっている時に顕著に見られます。
フィルターを付けた場合にこれを回避するには、大きな径の物にする以外には方法は有りません。
この事からマージンを取ってオリンパスは55mmと言う少々多きめの径にしたのでょう。

ステップアップリングを組み合わせて
このような使い方も出来る

これまでに私がオリンパスC1400Lで行った結果によると、

43mm径(C1400のレンズ径と同じサイズ)
ファインダーでは分からないが、撮影した物ではケラレが発生

52mm径
ほぼ全域でケラレは起こらなかった
但し、フィルターの種類や光の入射角によっては広角寄りでケラレる恐れ有り

55mm径(オリンパス推奨)
ここまで径が大きいとまったくケラレの心配無し

ちなみに52mmへのステップアップリングはDigiSlaveのリングストロボに付いてきた付属品で、私はこれをメインに使っています。55mm径は大きいと言いましたが、光学的に言えばレンズの否曲収差が少なくなりますので大きければそれなりのメリットもあります。

それでは実際にフィルターを活用する方法について説明します
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99/01/08