初心者用デジカメを探る

SANYO
DSC−X200


つい最近(2000年3月18日)、三洋電気からDSC−SX150の後継機種「DSC−SX550」が発売され、根強いファンの人気で大好評のようです。
で、今回ここで紹介するのはそれとは全く関係が無い(笑)同社の「DSC−X200」であります。但し、関係が無いと言っても、新機種が出たことで、DSC−X200の値段も下がっており、とっても買いやすい価格に落ちてきています。
よって、DSC−X200は現在店頭で購入できる実用的なデジタルカメラとしては最も安い値段のモデルの1つであって、はじめてデジカメを使う人の中にも気になっている方もあると思い、少しレポートを入れることにしました。

DSC−X200は1999年の9月にリリースされていますから、もう大分前の機種です。これが出る前にDSC−SX150と言う150万画素のカメラが発売されていますから、DSC−X200と聞くと一瞬200万画素クラスなのかとお思いでしょう。実は85万画素のカメラで、同社DSC−X110の後継機種なのであります。型番が「X」と「SX」とで違っています。

DSC−X200は、DSC−SX150の爆発的な人気に比べると全く影を潜めた存在で、余りこのカメラを持っている人は少ないかもしれません。これは、発売時期から現在にかけて、「画質」が素直に貧弱だった為に少々影が薄かったのでしょう。また、前モデルのDSC−X110とスペック的にはほとんど変わらない部分も影響しています。
とは言え、三洋のDSCシリーズ共通の「爆速」と異名を放つ「スピード感」は受け継がれていますから、かなり軽快に楽しく撮影できるメリットがあるカメラなのです。

このカメラの位置づけとしては「女性」や「初心者」を対象にしています。最近は「デジカメ」にかなりの人が興味を示す反面、機種の選択肢が多すぎたり、情報が多すぎて、はじめての方には一体どれを購入すれば良いのか迷っているのではないでしょうか。掲示板にも何を買ったら良いのか尋ねて来る方も多いですが、その中でもこのカメラは、とりあえずメールでデジカメで撮った画像を一緒に送る事を当面の目的にしている人にピッタリでしょう。


まずはデジカメをすでに持っていたり、パワーユーザーが使ってみて思う事を最初に書いてしまうと、

・パンフォーカスでピントが甘い
・85万画素は解像度不足、エッジがザラザラでノイズがバリバリ
・露出、感度、ホワイトバランスのマニュアル設定が出来ない

と言った事が上げられます。
しかし!
これはすでにハイスペックなデジカメを使っている場合であって、裏を返し、これを「初心者」の立場に当てはめれば、

・パンフォーカスなのでピントを外す事が少なく、うまく撮れる
・85万画素なので、画像サイズも小さく、扱いやすいしメールに貼って送れる
・細かな設定が無い分、オートで気軽に撮影でき、余計な知識がいらない

と、実に「初心者」「入門機」に好ましい結果になります。
ホワイトバランスとか、絞りがどうだとか、全くそのような事を考えずに、とにかくデジカメを使ってみたい、簡単に撮りたいなって人にはとってもお勧めです。
このカメラを持って実際撮影した感じは、とにかくボタン類が少なく、スライドスイッチを「カメラ」側にセットしておき、レンズカバーをスライドすればすぐに撮影が可能です。ストラップを取り付けて、手にブラブラとさせながら歩いていても、オシャレなデザインと小型軽量なので違和感が無く、その分、撮影したいシーンをすぐにパチパチ撮れるのです。
最近発売される機種の多くは多機能化と多画素化に進んでますので、こう言った一種の「スペックダウンモデル」の存在が希薄になりつつあるなか、実際はこの様なモデルを望む人達が結構いるのではないかと思っています。

画素や仕様に「スペックダウン」と言う言葉を使いましたが、機能面で不足している訳ではありません。面白いのは「動画機能」。最近のデジカメの多くにこの様な機能は入っていますが、パワーユーザーとしては「動画」はデジタルカメラとしては余り必要としていません。しかし、メールやホームページの素材として「デジタルカメラ」を入門する人にとっては、動画機能が付いていたほうが、色々と楽しめることは確かです。また、0.13秒間隔で撮れる連射機能もなかなかの物です。この様な機能が付いているデジカメとしては、このカメラが最も安く手に入るモデルかと思います。これもスペック的に少々劣っていると言うのが前提なのですが、ハイスペックを求めるのでなければ、結構使っていて楽しいカメラです。

人それぞれ、求める物が違うので善し悪しもそれぞれでしょうが、このカメラを入門機として位置づけて使ってみる価値はあります。

00/03/23
デジタルカメラ大実験