C−2000ZOOM活用術

絞りとマクロの関係
其の二


読者の方からの質問で
「花の撮影をデジタルカメラでしてみたいが、
背景のボケ味は出るのでしょうか?」
と質問を頂きましたので早速レポートしてみます

これまでにはマクロコンバーターを使った際のボケ味についてはすでに様々な形で実験していましたが、
考えてみればもっとも基本的な
マクロコンバーターは使わず、かつマクロモードで撮影する、
被写体まで30センチ
の条件でのボケ味の実験はしていませんでした

これから見ていただくレポートは、
一眼レフ型のC1400Lと最新型のC2000ZOOMにおいて、
「絞り値の違いによる被写体まで30センチの場合の背景のボケ味の変化」
について実験した物です


被写体まで30センチにおける
絞り値の違いによる背景のボケ味の変化


見方の注意点
絞り値は「F」で表現します(例 F2.8)
その下の数字はシャッタースピードです(例 1/400)
C-2000ZOOM では設定を「絞り優先モード」にして撮影しています
光量の多い場合は減光フィルターを使用(NDと併記)
C1400Lの場合は絞りを減光フィルターで変化させています(NDと併記)
画像をクリックするとVGAサイズにした物を表示します
ホワイトバランスはともにAUTOです
カメラはマクロモードにしています
被写体はごく普通のチューリップ





F2.8
1/228
ND 4x


F5.6
1/268

C1400Lで撮影
広角(35mmフィルム換算35mm)

いつもの様にC1400Lの絞りはNDフィルターで切り替えています
このカメラの場合、広角側ではF2.8とF5.6の2値があります
見ると、やはりF2.8の開放値の方が背景のボケが出てています
しかしながらボケただけであって、ボケ味とまでは行きません
F5.6ではパンフォーカスになってしまっています





F2.8
1/500
ND 4x

F5.6
1/500

C2000ZOOMで撮影
広角(35mmフィルム換算35mm)


最初にボケ味とは関係無いのですが、ホワイトバランスはどちらもAUTOにしている為か
カメラの違いによって随分発色に差が出ていますね
こちらのカメラの方が自然な色です

C1400LはCCDが2/3インチ
C2000ZOOMは1/2インチ
この違いの為と思われますが、C2000ZOOMではF2.8でも背景のボケ味は出ず
パンフォーカスになってしまっています
やはり銀塩並みにするにはCCDの大型化も必要になって来ますね


なおこの撮影サンプルの場合は絞り開放でシャッタースピードが
範囲外になってしまった為、
減光(ND)フィルターを併用しています




F3.9
1/299
ND 4x

F7.8
1/327


C1400Lで撮影
望遠(35mmフィルム換算110mm)


光学3倍ズームしてみました
望遠側での絞り開放値はF3.9
この場合、背景は奇麗なボケ味が出ています
それでもF7.8の場合はパンフォーカス
C1400シリーズの場合、絞りはカメラまかせになってますが、
こんなに違いが出るので絞り優先AEは欲しかったですね
って言いながら、私の考えたNDフィルターを使った撮影では
この様に絞り優先AEが可能になるので是非とも実践で活用してください
方法は以前のレポートに書いてあります




F2.8
1/800
ND 4x

F5.6
1/800


C2000ZOOMで撮影
望遠(35mmフィルム換算105mm)

絞りを開放値にしています
C1400Lと比べて望遠寄りでの開放F値が大きいのに
ボケ味はC2000ZOOMが一歩劣ります
発色はこのカメラの方がGOODなのだ



F3.6
1/500
ND 4x


F8.0
1/400


C2000ZOOMで撮影
望遠(35mmフィルム換算105mm)

C1400Lと同じ絞り値にしています
C2000ZOOMは絞り優先AEが出来て便利なのだ
F値通りの変化になってますね




99/04/16
デジタルカメラ大実験へ