C1400L活用術

リングストロボ「RF−50」
をデジタルカメラで使う!


このレポートはメールマガジン「デジタルカメラ研究ネットワーク」で配信したものを再編集して掲載しています


ところでみなさん、リングストロボと言うカメラ用器材はご存じですか?

「ストロボ」と名が付く事で、光を放って被写体を明るく照らす一種であるとは分かると思いますが、その形なるや実に不思議な容姿なのであります。
通常のストロボ発光管をズズズーっと長く伸ばして、そしてそれをカメラのレンズ前にグルッと一周して取り囲んだ物と想像してください。
なので発光する時は丸い形に発光する事からリングストロボと呼ばれています。

「リングストロボの使い道は?」

どうしてこんな奇妙な形に発光体をしているのか?
普通のストロボよりも発光体が長いので、遠くの方まで光を飛ばしたり、広い範囲に光を充てたりするのかな?って思うかもしれません。
ところが全然違うんです。
カメラのレンズの先っぽから見える小さな小さなマクロの世界を照らすストロボなのでした。

デジタルカメラ用リングストロボ
RF−50
マクロレンズを使って被写体を拡大し撮影する接写(クローズアップ)は自然科学や医学などの分野で用いられています。
接写するときにはレンズのすぐ前にある被写体に正しく照明を当てる事が重要なのですが、普通のストロボを使った場合は被写体の側面のみ照らすので反対側にどうしても影が出来てしまいます。
これを解決させるために発光部が円形のリングストロボを用いる事になるのです。従って、レンズのすぐ前にある被写体が非常に小さくても影を作らずにライティングする事が出来る画期的な発想のリングストロボが必要になって来るのです。
デジタルカメラもカメラであって、この様なリングストロボを必要とする撮影条件も出てくるのですが、こんな特殊なストロボをデジタルカメラにで利用できるのかな?

「それは出来ます」

アメリカのSRincと言うメーカーが出しているデジタルカメラ用外部ストロボ「DigiSlaveシリーズ」の中にオリンパスC1400Lに取り付けて使用するタイプのリングストロボが存在します。これを使うとプロ用デジタルカメラ以外でも、夢のリングストロボ!?を使った撮影が可能になるのです!

そうとなればと早速私も購入したくなります。
が、しかし日本国内での販売代理店は当初無かった為、販売もとの米国SRincへ直接発注をせねばならず、英語が苦手でおまけに外国とのカード取り引きに不安を感じる私にはちょっと手を出せませんでした。
そんな折り、歯科医師関連へのサービスをされているW-Wing Soft さんと偶然にも出会ったのです。
米国ではこのリングストロボとデジタルカメラ C1400L を使った組みあわせで歯医者さんが患者の写真を撮る事を先進的に行っているそうで、このシステムを日本国内に導入している W-Wing Soft さんから、私のような歯科医とは関係の無いデジタルカメラユーザーにも販売して頂ける機会を受け、手に入れる事が出来ました。
RF−50と言う名前のリングストロボ(以下RF−50と明記)はC1400L専用に出来ています。

「どうしてC1400L専用なのか?」

それはC1400Lが一眼レフタイプのデジタルカメラであって、レンズ前にネジの切り込みが入っているタイプである為、銀塩カメラのフィルター・レンズ類がそのまま流用できるシステムになっている事に起因します。
実際RF−50も銀塩カメラのリングストロボと同じ形であって、そのまま35mmフィルムの一眼レフカメラに取り付けて使用する事が可能です。
言葉を返せば銀塩カメラ用の物をステップアップリングを用いてC1400Lに取り付けたと行った方がカメラの歴史からすれば正解でしょう。
ところがこC1400Lには外部ストロボ用のシンクロ端子は有りません。最近発売された新型のC1400XLから装備された端子なので、それ以前のC1400Lでは一体どうやってRF−50のストロボを同期させるのかが問題になります。
この解決策はいたって簡単、内蔵ストロボの発光をRF−50の光センサーが感知し、それと同期してRF−50自体のストロボ部を発光させる仕組みなのです。これなら内蔵ストロボの強制発光で同期が取れる、、と行きたいところで、ここでまたまた問題が発生して来るのですよ。
C1400Lの内蔵ストロボの発光を良く観察してみると、瞬間的に2回発光しているのに気が付く事でしょう。このカメラ、実にお利口で最初の発光で露出を決め、次の発光が本番撮影に使われるというシステム。なかなかな物だと関心しているのは良いが、これがネックで銀塩カメラ用のリングストロボをそのまま使えなかったのであります。
これをSRincのRF−50ではC1400Lの1回目の発光をキャンセルし、2回目の発光に同期してストロボを焚くシステムを取りいれた事により解決。
おかげでC1400Lでリングストロボを使ったマクロ撮影が可能になった次第。反面このシステムの為、1回しか発光しない他のデジタルカメラには使えないという弊害が生まれてしまった。
しかし、ぬかりは無し。しっかりマニュアルモードが付いており、カメラ自体に外部ストロボ端子が付いているのであれば、ケーブル接続にて完全な同期発光が可能になっています。これで新型C1400XLでは内蔵ストロボを発光させる事なく、外部ストロボ端子とのケーブル接続によりRF−50は完全な同期発光になります。
また、今後出てくる一眼レフタイプのデジタルカメラにもステップアップリングでカメラと合体出来、外部ストロボ端子搭載の物であれば使えるカメラの機種も増えるのではと思います。

C1400Lとの合体は
ステップアップリングを使う
詳細はこちらのレポートをどうぞ

内蔵ストロボのみ


リングストロボ使用
実際に撮影したのが左の写真です

被写体はマジックインキを3本用意し真上から撮影しています。
いずれもC1400Lにて撮影

通常の内蔵ストロボで撮影したのが上側の写真
内蔵ストロボではどうしてもこの様に「影」が発生します


下側の写真はリングストロボを使っています
「影」が無くなっていることが分かるでしょう

詳細レポートはこちらをどうぞ
そのリングストロボを使用して撮ったのが右の写真
C1400Lの内蔵ストロボでは絶対に影が出来てしまう条件でも、リングストロボは奇麗に撮ることが出来た。
他にも撮った画像はこちら






99/01/22